We go our way as always.

 

  a l w a y s


いつも乗る電車がやってきたときのような、ほんの一瞬ドキドキするけど、
乗り込むと何でもなく平常が始まるゆったりとした感じ。
白いだけの曇り空は比喩法で表すには大袈裟。

 

そして、息を吸ったり吐いたりの延長線上に君が見えている。

悔しいけど、今はまだ当たり前に、正当な存在として。

 

 

「烈兄ちゃんッ。」
「あ、ジュンちゃん。」
「あれ?今日は豪いないの?」

 

「うん、居残り。赤点なんだって。」

でも今日は少しだけ特別。

 

雲に隠されていた夕陽が沈んですぐの街を歩くと、こそばゆいほど当たり前が並んでいる。

 

「やっぱり豪には高校生やるの、無理なんじゃない?」
「あははは…」
「心配よ。」
「まあ、あいつもあいつなりに頑張ってると思うよ。」
「烈兄ちゃん、勉強教えたげたんでしょ?」

「上手くいかないこともあるよ。本番は。」

 

  そして、こうやって今当然そこにあるべき物として享受している色々が

 

「…」

「どうかした?」

 

  そのうちどれも当然ではなくなるのを

 

 

「…豪が隣にいないとなんか変な感じ。」

 

「そう、かな。」

 

 

  毎日肌で感じている。

 

 

「なんていうか…胸ん中がグルグルして、ちょっと物足りない感じ。居てもうるさいだけなんだけどねー。」
「あははは。言えてる。」

 

 

それはまるで今日の白い曇天のように怠い、というと大袈裟すぎる。

だけど、チクチクした不思議な物がこっそりと潜んでいて、でも滑らかで。

 

 

「烈兄ちゃんとは違っ」
「うん。そうだね。」

いつも通りではない、今日は少し特別な日。

 

 

「…ン、」

「本当に大違い。」

 

「…そういうんじゃ、ないの。」
「…うん。」

 

「烈兄ちゃんも、側にいなきゃ嫌だよ?」

昨日とも1年前とも大きく変化のない道を歩く。

 

 

いつもは3人。

今日は2人。

  

「ありがとう。」

 

 

十分過ぎるほど解っている。 

いつも乗る電車がやってきたときのような、ほんの一瞬ドキドキは、いつもがいつもでなくなったとき、
多分消えてなくなっていくんだろう。

 

 

「明日の帰りにでも言ってやるんだから。勉強しなさい!って。」

「ねえ、ジュンちゃん。」

「なに?」

 

 

いつもと違う二人の距離。
cmで表すとおよそ30。

 

 

 雲が流れる。
 

 雲が流れる。
 

 雲が流れる。

 

 

 

ねえ、豪のこと、

 

 

「何でもない。」

「えー。変なの。」

 

 

悲しいぐらい平常通りの空気を大きく吸って吐くと溜め息に似ている。
感嘆のそれでもあるようだし、諦めのそれでもあるようだ。

 

 

「何でもない。」

 

 

今はまだ、息を吸ったり吐いたりの延長線上に君が見えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


高校生になって豪をなんとなく意識してるんだけど自分のその気持ちになかなか気付かないジュンちゃんと、
そんなジュンちゃんの心情の変化に気付いているから自分の心情を伝えることのできない烈。
(説明せな分からん)
烈はどれだけジュンちゃん好きでも諦めます。多分。

中学生でも良かったかな。
一緒に帰ってるんですよ。毎日。

 

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